ベロ(泥負虫)すくい

 6月下旬、稲がようやく根付き、そろそろ生長をはじめる7月上中旬にかけて、ドロオイムシの成虫が生みつけた卵が生育し、1日も経たないうちに稲の葉を食害する。成虫は舞いながら移動をするので、いたるところに産卵する。卵からかえった幼虫は、夜となく昼となく葉の軟らかいところから食害する。糞を自身のからだにくっつけていて、それが泥のように見えることから、泥負虫という名があるらしい。古海では「ベロ」といっている。
 円筒のトタンを半切りにしたような道具を左右に振り回して、葉の上部にいる虫をすくい取る仕事がベロすくいである。
 数畝ずつをすくい取りながら進む。水平に振るのがコツ。適度の速度でないと虫がすくえない。丁寧な人は1日2回ぐらいこの仕事を繰り返すのだ。すくい取った虫は田以外の所へ捨てる。幼虫は日に当てて泥が乾くと死んでしまうので処理は簡単だった。

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