道つけ
 雪降りの朝は一家の男衆が必ず道踏みをする。
 自分の家のけ?だしから、街道を隣との境まで踏み固める。夜明けとともにこの仕事を済ませないと街道を通る人が困るからだ。学校へ最も遠い菅川からは毎朝2〜3人道踏みが出て、その後を児童がついてくる。半坂を上り、学校まで下るのに普通なら40分くらい。それが雪の量によっては1時間半になり2時間にもなり、ぽくたちが1時間も勉強し終わったころやっと到着することもあった。汗と雪で濡れた身体からは湯気が立っているように見え、菅川の6人の同級生はしばらくストーブで体を暖めたりしていた。子ども心に菅川の者は「勉強しなくていいなあ」なんて思ったりした。
 履物はコンゴかゴムの長ぐつ。ゴム長靴は足が冷たくて、雪道はぬかり込みがひどかった。コンゴは濡れても足は暖かくあまり埋まらない。だが帰りには凍みていて足が入らないこともあった。防寒具はマントかケットだ。マントは帽子がついているのが望ましい。ケットは毛布を半分にしたようなもので、頭からかぶって手でいつもおさえていなければならなかった。
 道踏みのおっさんたちはコスキを持ち雪を掻き分ける。カンジキで大股に歩くので2人や3人の後は一足ごとにぬかり込み、一風吹けばすぐ消えてしまうことも多かった。
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