発刊にあたって

 信濃町生活改善グループ連絡協議会長 小林三枝子

 北信五岳を仰ぎ、風光明媚な我がふるさと信濃町にも、明治・大正・昭和の時代を真剣に農業に取りくみ、力強く生きてこられた多くのお年寄りがおられます。これらの方々の尊い生活の積み重ねがあってこそ、その上に今の私達の恵まれた生活があるのだと思います。

 きびしい農村社会の中で培われてきた四季折々の行事や、行事食その時々の農産物の味わい方など、日常の生活の中で祖父母や父母から、何時の間にか教わっているものが多いと思います。けれど残念な事にこれらの美しい伝統的なものが次第に薄らいでいるような気が致します。飽食の時代といわれている中にあって、改めて食生活を見直し、昔から受け継がれた郷土食を中心とした食文化、そして生活文化を少しでも後世に伝えて行きたい。そんな願いから、この冊子を作成致しました。

 信濃町らしい言葉を残したいと聴きとり方式で高令者の方々から、いろいろお聴きしましたが、お聴きしている中で今の社会に生えられない素朴な人間味あふれるほのぼのとしたものが感じられました。又家事や育児を片手間に唯働き抜いた涙ぐましい人生や、その中で工夫しながら築き上げた自給自足の生活、隣近所助け合って生きて来た相互扶助の美しい心等、私たちも学ばなければならない点が多くあると思います。又その反面、農村の視野の狭さとか、改善して行かなければならない不合理なしきたりが今もなお当たり前の事として、続けられているものもあります。これらを徐々に改めていき、農村にたくさんある良い所を強調して行ったなら、もっと明るく住み良い地域となるのではないでしょうか。

 この「おくらぶち」が母親から子供へと大勢の人たちに読んで頂く事が出来たんあら幸いに思います。冊子を作成するにあたり、お忙がしい中御協力頂きました多くの高令者の方々始め、御寄稿下さいました方々に深く感謝申し上げます。

おくらぶち もくじ